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イーエスピーの問題点まとめ|健康診断や適性検査を実施せず行政処分

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軽井沢スキーツアーバス転落事故について、様々な新事実が発覚していますね。

中でも個人的に驚いたのが、バス運行会社であるイーエスピーに関する諸々の新事実です。

なんとこの会社は事故の二日前に行政処分を受けていたというのですね。いったいなぜそんなことになったのでしょうか。

また、他にもこの会社には様々な問題があったらしいことが判明しています。

そこでこの記事では、現在わかっているイーエスピーの問題点について解説していきます。

関連記事:長野軽井沢スキーバス転落事故まとめ

事故2日前に行政処分

観光バス会社イーエスピーは、2016年1月13日付で国土交通省から行政処分を受けています。

その理由としては、運転手に健康診断や適性検査を受けさせていなかったり、運転手の点呼を取っていなかった等ということが挙げられていますね。

国交省は昨年2月、道路運送法に基づき、イーエスピーに対し2014年度中の業務の定期監査を実施。13人の運転手のうち10人について、年1回(深夜業務従事者の場合は2回)実施すべき健康診断を受けさせていなかったことが判明した。初任運転手への適性検査も怠っていた。

イーエスピーが受けた行政処分の内容は、道路運送法違反による車両使用停止処分(=中型バス1台の使用を20日間禁止する)というものです。

もちろん停止になった車両は今回事故にあった車両と別ですから、処分内容と直接関係がないとはいえ、理由が理由だけに気になりますよね。

業務を停止しろとは言いませんが、せめてベテラン運転手に業務を行わせるべきでした。

なにしろ、運転手の健康状態は事故に直結する要因ですからね。

この件について、イーエスピー側は次のようにコメントしています。

「病歴は把握していない。健康状態が思わしくないという認識はなかった」

しかし運転手を管理する会社側としては、病歴を把握してないではすまないでしょうし、健康診断もせずに健康状態を把握できるはずもありません。

このコメントはちょっと馬鹿げていますね。

しかも、今回事故を起こしたと見られている運転手が、まさにこうした法令違反によって採用された可能性もあるようです。

運転手の採用にも問題が?

そもそも事故を起こした運転手の採用についても問題があったようです。

実はこの運転手、土屋広さんは65歳であり、2015年12月に採用したばかりだったことがわかっています。

そして65歳以上のバス運転手の採用には適性検査の実施や健康診断が必要なのですが、会社はいずれも実施していなかったというのです。

この運転手の同僚は、次のように話していると報じられています。

「土屋さんは1カ月前にこのバス会社に採用された時点では、長さ9メートルのバスの運転がメインで、今回の長さ12メートルのバスはほとんど運転した経験がなかった」

この証言からすると、明らかに運転手には大型バスの経験が不足していたと考えられます。

きちんと適性検査を実施していれば、ひょっとしたら採用が見送られていた可能性だってあったのです。

それを怠ってこのような事故があったとなると、バス会社の責任は非常に重いように思われますね。

もし本当に今回の事故原因が運転手の健康状態や運転適性不足にあったのなら、この会社の社長は管理過失を問われる可能性もありそうです。

捜査の状況次第では、自動車運転処罰法違反で刑事責任を問われることになるかもしれません。

ルート変更も法律違反?

また、このバスは予定されていたルートを変更して走行していたようです。

事故現場が事前の行程表のルートとは異なっていました。

しかし事前に会社の運行管理者に連絡せずに走行ルートを変更するのは、道路運送法違反に該当するとのことです。

この点について、イーエスピーの山本崇人営業部長は次のようにコメントしています。

「ルート変更があったかはこれから確認するが、時間調整などのために、ドライバーの判断で変更することもあり得る」

もちろんドライバーの判断でルート変更はありえますが、それを連絡して書類に変更を記載していたかどうかが問題なのです。

そしてそれくらいは書類を確認すればすむだけの話ですから、このコメントを出した時点でまだ書類を確認できていないのはちょっと対応が遅いと思いますね。

私の推測ですが、会社側は書類に記載することなしに現場判断でのルート変更を日常的に許容してきた可能性もありそうです。

法令違反が慢性化していたなら、これもまた大きな問題になりそうですね。

追記:ルート指示そのものがなかった?

なんと、イーエスピー側の運行指示書にルートの記載がなかったことがわかりました。

これは要するに、バスの運転手に具体的なルートを支持していなかった可能性が高い、ということです。

これほど真っ向から法令違反をしていたとは……

この会社、真っ黒ですね。

虚偽の運行記録書を作成

驚くべきことに、国土交通省の立入検査によってイーエスピー側が虚偽の運行記録を作成していたことが明らかになりました。

なんと、事故を起こしたスキーバスが無事に目的地へと到着したという記録が作成され、運行管理者による押印までされていたそうです。

バスが事故を起こす可能性も考えずに書類を作成していたわけですね。

一体何のために法律が運行記録書の作成を義務付けているのか理解していないかのような行動です。

ここまで杜撰な扱いだったとは驚かされますね。

感想

現在までに明らかになっている問題点をまとめてみましたが、格安ツアーバス会社という業界全体の問題もありそうです。

現在の価格水準では法令を順守していては利益が出せない、運転手に過度の負担を強いなければ成り立たない、などの構造的問題のある業界なのかもしれません。

まあ、だからといってこの会社に起こった事故の責任がないわけでは全くありませんが。

起こった事故の責任を問うだけでなく、将来の事故を予防するためには、今回の事故原因を徹底的に解明して、業界の構造自体にメスを入れる必要があるのかもしれませんね。

【関連記事】
⇒ 長野軽井沢スキーバス転落事故まとめ|事故原因やバス会社の詳細

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