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「悪霊を払う」と1型糖尿病の7歳児を治療させず下野市の男が逮捕へ

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間違いなく大きなニュースになりそうな事件が報じられていました。

1型糖尿病を患っていた栃木県宇都宮市の7歳の少年に適切な治療を受けさせず、そのまま死亡させた男が逮捕される方針だというのですね。

しかもこの男は、自分に「特別な力がある」と自称していたらしく、かつてのシャクティパット事件を彷彿させます。

絶対に大きな問題になるであろう、この事件について語ります。

報道された事件内容について

記事によれば、この男は下野市に住む60歳の会社役員だそうです。

男は自分に特別な力があると男児の両親に信じこませ、治療と称して男児の体を触るだけの行為を繰り返し、1型糖尿病の治療に必要なインスリン注射を打たせなかったとのこと。

その結果、男児は2015年4月に死亡しました。

しかも男は、「悪霊をはらう成功報酬」として家族から200万円以上を受け取っていたようです。

警察はこの件に対して、本日中にも殺人罪で男を逮捕する方針だと記事には書かれています。

インスリン注射は1型糖尿病患者の生存に不可欠

まずはっきりさせておきたいのは、インスリン注射が1型糖尿病の生存に不可欠だということです。単に治療に必要というレベルではなく、無ければ生存できないのです。

糖尿病とは、何らかの理由でインスリンの働きが悪くなる病気です。我々がよく知る生活習慣病とされる糖尿病は、2型糖尿病と呼ばれます。

これに対して1型糖尿病は、生活習慣とは無関係な病気です。

1型糖尿病とは、先天的あるいはウイルス感染等の理由ですい臓のランゲルハンス島β細胞が壊れ、インスリンを分泌する機能自体が無くなるか著しく低下する病気です。

自分でインスリンを分泌する能力がないので、インスリンを外部から注射しなければ、血糖値は上がり続け、死に至ります。

だからこそインスリン療法が実用化されるまで、1型糖尿病は非常に高い致死率の病気だったのです。

それを注射させないのは、間違いなく男児を死に至らしめる危険な行為ですね。

不作為による殺人だと考えた警察の判断は妥当だと思います。

この犯人は詐欺師?新興宗教家?

そもそも男児の症状が良くなっていないのに、なぜ成功報酬をもらっているのかという疑問もあります。この時点で詐欺師臭いですが、まあそれはおいておきます。

まず客観的な側面から見れば、この男の行為は詐欺です。実際には特別な力などないのにそれをあると信じこませ、両親からお金を騙し取っているのですからね。

いかにもインチキ霊能力者などがよく使う手口だと思います。

しかし、仮にこの男が本気で自分に特殊な能力があると信じている場合は、少し面倒なことになると思います。

自分の行為で本当に治療が可能だと信じているのであれば、殺人罪の故意がないと判断されかねないからです。

特にこれが宗教団体の代表のような人物だと宗教や信仰の問題が絡んで面倒なことになります。

とはいえ、報道記事では会社役員と書かれているだけで、特に宗教団体の役職に付いているような人間だとは書かれていません

新聞記者が新興宗教に関するスキャンダル情報をあえてぼかす理由もなさそうですから、犯人は特に宗教とは関係がないのだと思います。

そうであるのなら、犯人がインチキ霊能力者の詐欺師であり、「自分の行為が治療の役に立たないことを認識していた」という立証は比較的容易かもしれませんね。

病気は悪霊が原因ではない

息子が1型糖尿病という重い病気を患ってしまい、両親は藁にもすがる思いだったのかもしれません。「悪霊によって病気にかかった」と信じたくなる気持ちもわかります。

しかしやはりそういう心霊療法に頼ってしまうのは、判断を誤ったと言わざるを得ません。

別に一切の心霊療法をやめろというつもりはありませんが、それがインチキだった場合に備えて科学的な医療行為も続けておくべきでしたね。

まあ信仰の問題かもしれませんが、「病気は悪霊が原因ではない」と考えておいたほうが、現代において生存率は高いですよ。この年まで生きてきた私の結論です。

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